昔から大雨と言えば台風だったのですが、最近では線状降水帯による長雨のほうが年々被害が大きくなっています。突然のゲリラ豪雨も油断できませんし、いつどこで災害に遭うのかまったく予想できない状況です。
我が家でも地震や洪水などの災害対策をコツコツ進めているのですが、その中で先日の千葉のような長期間の停電に備えて、値段的にもお手頃になってきたソーラーパネル(太陽光発電)を導入しようという話になりました。
ただ、一言でソーラーパネルと言っても、さまざまなメーカーの製品があり、大きさ、重さ、もちろん発電する出力もいろいろです。
その中で我が家で必要な条件を考えて、最終的に選んだのがこちら、ELECAENTA 120Wソーラーパネルです。
今回はなぜこのELECAENTA 120Wソーラーパネルを選んだのか、その理由をお話したいと思います。
ちなみに、この記事はメーカーに依頼されて書いているのではなく、実際にソーラーパネルについて比較検討した結果について、正直なところをまとめています。ソーラーパネルが欲しいと思っている方は、ほぼ同じような検討をするはずですので、参考にしていただけたらうれしいです。(もっと安くて良いソーラーパネルがあればぜひ教えてください)
目次
ELECAENTA 120Wソーラーパネルのここがスゴい
120Wの高出力で曇りでも発電可能
私がソーラーパネルに求める条件は、まず発電の安定性です。「曇りでも発電できる」くらいが理想的でしょう。
雨天ではさすがに発電は無理としても、曇り空でも発電できないと逆に困ると思います。
本格的な曇り空でなくても、晴れてても雲がかかってソーラーパネルが影になることはよくあると思います。そんな時にある程度発電ができないと、実用するのはなかなか難しいのではないかと思いました。
口コミなど調べて見ると、まず小型のソーラーパネルでは、曇り空の条件では十分発電できないことがわかりました。具体的には、20W前後の出力の低いものです。大きさで言うなら普通のタオルを広げたくらいの大きさでしょうか。
このサイズは普段の持ち運びには小さいのでとても便利です。モバイルバッテリーと一体型のソーラーパネルもあり、いつでもどこでも太陽から充電できそうに思うのですが、残念ながら天気が曇りでは十分な電力を確保することができません。
調べてみると、曇り空でもある程度発電ができるとなると、大体80〜120Wクラスのソーラーパネルが必要になるようです。そしてそのクラスのソーラーパネルになると、大きさと重さがある程度あります。
もうこの辺りは太陽光発電素材の変換効率上、どうしようもない部分ですね。
常時携帯するのは難しいですが、家に置いておくのは問題ないサイズになります。目的が長期停電時に必要な電力を確保することなので、このクラスのソーラーパネルなら目的に合っています。
実測:曇り空での発電量はどのくらい?
ELECAENTA 120Wソーラーパネルを購入後、実際にどの程度発電できるのか測定してみました。上のような全面的な曇り空でテストしてみました。曇り空で測定するには絶好のコンディションです。
測定したのはソーラーパネルに付属している、USB Type-C出力のPD(PowerDelivery)を使って、Ankerのモバイルバッテリーを接続し充電した時の数値です。このくらいの空模様で14Wくらいは発電できています。
ポータブル電源を持っていないので、測定できなかったのですが、USB Type-C出力ではなく、DC出力の方が高い電力が得られるはずです。DCケーブルをポータブル電源に接続・充電して測定すれば、もうちょっと数値は伸びそうに思います。
このように曇り空でもある程度発電できることを、実物で確認することができました。
ちなみに晴れていれば、これくらいの数値になります。先ほどと同じくAnkerのモバイルバッテリーを充電したときの数値です。USB Type-C出力で57Wほど発電できていますので、コンセントで充電しているくらい高速に充電が可能です。
こちらもUSB Type-C出力ではなく、DC出力の方を測定できればもっと発電できると予想されます。ポータブル電源を買うことがあれば、改めてテストしてみたいと思っています。
その2:USB Type-C PD(PowerDelivery)対応
最近はPCも含めてPD(PowerDelivery)対応の機器が増えてきました。USB Type-CのPD対応だと、規格の上では通常のUSB(5V-2A)を超える、最大100Wの電力を供給できるようになっています。できればソーラーパネルにもUSB Type-CのPD出力が欲しいところですが、ELECAENTA 120Wソーラーパネルは、仕様上45WのPD出力を持っていました。
被災時には短い時間で複数の機器を充電する必要があります。PD対応のUSB Type-C出力がついているとポータブル電源や、モバイルバッテリーを経由せずとも、直接ソーラーパネルから高速充電が可能ですので安心です。
その3:価格が安い
このソーラーパネルは、通常ではAmazon価格で実質21,800円(8,000円OFFのクーポン込み)ですが、Amazonプライムデーやタイムサービス特価で、時々極端に安くなります。
私の場合はAmazonプライムデー期間に購入して、16,630円でした。たまに見かけるタイムサービス特価でも18,830円前後です。
同性能のソーラーパネルと比較して比較的お得な価格だと思います。通常価格で購入するのではなく、安いときに狙って計画的に買うのをおすすめします。
下のリンクはAmazonでの価格の推移を表しています。どの程度安くなるのかチェックしてみてください。表示した直後は期間が3ヶ月の設定になっていますので、直近しか見られませんが、右メニューの「期間」を「全期間」に変更することで長期間の価格変動をチェックできます。
【Keepa:Amazon価格推移】ELECAENTA 120Wソーラーパネル
その4:手頃な大きさ・重さ
折りたたんで運べる状態にして、横530x高365x幅20mm、重さ4.6kgです。サイズはビジネスバックより大きめで、重さは少し重量のあるノートPCを入れたビジネスバッグといったイメージです。
「持ち運ぶことはできるけど、ずっとは辛い感じ」ですね。他の荷物もありますし、ずっと持って行動するのは無理です。
車に積んで移動してキャンプに持って行ったりするのには便利です。もちろんコンパクトにして家に置いておけますので、今回の目的である停電時の備えにもピッタリです。
大きさ的には80〜120Wのソーラーパネルは、どのメーカーも大体このサイズです。
その5:保証を2年に延長できる
Amazonには保証は1年と書かれているのですが、購入後にメーカーにメールで保証延長の申請をすると、無料で1年保証を延長してくれます。ですので最終的に合計で2年保証になります。
耐久性がわからないものですので、可能な限り保証は長い方が有利でしょう。
その6:意欲的なメーカー
このELECAENTAというメーカーが結構面白くて、クラウドファウンディングに参加してものづくりを積極的に行っているようです。
知らなかったのですが、このソーラーパネルも元々はクラウドファウンディングで資金を募集して製作されたようです。なかなか安くて面白い物を作っていますので注目しています。
電源革命!ありそうでなかった「電池が交換できる」ポータブル電源S600W – Makuake
今年は充電池部分が交換できるポータブル電源を作ったそうです。こういうのは充電放電を繰り返すと充電池が必ず劣化しますので、長い目で見るとパーツが交換できるこのポータブル電源はいいですよね。面白いです。
モバイルバッテリーで有名なAnkerの製品で、「Anker PowerHouse II 800」というポータブル電源がものすごい人気です。PowerHouseはシリーズで発売されています。
しかし口コミによると、Ankerに問い合わせると充放電サイクルはたった400回だったそうです。これは全てのPowerHouseシリーズで同じ回数とのこと。
毎日使うとすれば1年と少ししか持ちません。でもそんなに安いものではないですし、ポータブル電源の充電池寿命は思ったよりずっと早いように感じます。
このように有名なメーカーの製品ですら、充電池の劣化は問題になりそうな感じですが、ELECAENTAの電源のように充電池の交換が簡単にできるように設計されているのは心強いでしょう。
またELECAENTAは、メールにおいてのレスポンスも早かったです。私が保証延長の申請をELECAENTAにメールした時も、その日の内に返事がきましたので、そういう点も評価できると思います。
中華製品ですし、さらに外で使うものですし、破損や故障など何らかのトラブルが発生する可能性も高いでしょう。
そんな時にメーカーにきっちり連絡が取れるのは安心感が違います。(ただしトラブル後の対応を見たわけではありませんので、本当に信用できるかは正直わかりませんが、最初から逃げ腰のメーカーよりはたぶんマシでしょう……たぶん)
口コミでもメールの問い合わせに対するレスポンスが良い、という書き込みがありました。その方は、購入前に各メーカーに質問を送ったそうですが、このELECAENTAだけが直ぐに返答がもらえてうれしかったそうです。
やっぱりこういうレスポンスが良いと自然と高評価になります。
ELECAENTA 120Wソーラーパネルのここが残念
ソーラーパネルの設置角度の微調整ができない
ソーラーパネルの裏には、設置したときに斜めになるように、写真のような脚がついています。
朝 > 真昼 > 夕方と太陽の角度は結構変化しますが、それに合わせてこの脚の立てる具合で、パネルの設置角度を微調整できれば良かったのですが、そこまでの仕様になっていません。
細かく設置角度を変えたい場合は、なんらかの工夫が必要になりそうです。
例えば、上の写真で脚の内側に幅2cmほどの布が付いていますが、脚を開いた際にこれが突っ張って、脚の開き具合を固定する仕組みになっています。この布を手繰って強力なクリップで短くなるように固定すれば、ソーラーパネルの角度調整が一応できると思います。
サクラチェッカーの評価が極めて低い
Amazon口コミチェックの強い味方、みんな大好きサクラチェッカーですが、これの評価が本当にもう散々です。
このソーラーパネルは、私が見る限り、もの自体はしっかり作ってありますので、そこまで低評価なのが不思議なのですが、まあサクラのレビューが多いという判定なのでしょう。
メーカーがAmazonでレビューをしてくれとメールで言ってきますので、そこら辺が裏目になって低評価の原因になっているのではないかと思いました。慌てなくても良い物なら自信を持って、自然にレビューが集まるのを待てばいいのにと思います。
他の購入候補について
ELECAENTA 120Wソーラーパネルを購入するにあたり、他社のソーラーパネルも比較してそちらは購入を断念しています。その理由をお話しします。参考程度にご覧ください。
Jackery SolarSaga 100
80〜120Wのソーラーパネルを検討するにあたり、まず候補に挙がったのがJackery SolarSaga 100です。有名なポータブル電源を作っているJackery製です。めっちゃ憧れます。
正直、最初はこれが欲しかったのですが、価格がAmazonプライムデーにもかかわらず約26,000円でしたので、ELECAENTAの16,630円と比較すると値段がちょっとお高いなと思いました。
ELECAENTA 120Wソーラーパネル | Jackery SolarSaga 100 | |
---|---|---|
価格 | 16,630円(プライムデー価格/クーポン込) | 26,000円(プライムデー価格/クーポン込) |
最大電力 | 120W | 100W |
出力 | DC (18V/6.6A) USB Type-C (PD45W 5V/4.5Aなど) USB QC 3.0 (5V/3.4Aなど) |
DC (18V/5.5A) USB-C (5V/3A) USB-A (5V/2.4A) |
サイズ | 530x365x20mm 約4.6kg | 610x535x35mm 約4.4kg |
付属品 | DC-Anderson&航空 2in1ケーブル DC変換プラグが10個付属 |
変換プラグなし |
保証 | 1年(メーカーにメールを送って申請すると1年延長して全部で2年になる) | 2年 |
主な仕様を比較するとこのようになります。
一番大きなのは、ELECAENTAがPD対応している点です。
私は現状ポータブル電源を持っていないので、手持ちのバッテリーやiPad、Macが、ソーラーパネルから直接充電できるのは大変助かります。ELECAENTAだとPD45Wで充電できるのですが、JackeryだとUSB-C(5V/3A)でしか使えず力不足に感じます。
またソーラーパネルを折りたたんだ状態でも、ELECAENTA 530x365x20mmに対し、Jackery 610x535x35mmと収納する状態でもELECAENTAのほうがコンパクトでした。収納時にはELECAENTAが4つ折り、Jackeryが2つ折りでソーラーパネルを畳むことになります。小さい方が取り回しは良さそうです。
付属品にもELECAENTAには変換プラグが豊富についていますので、もしどんなポータブル電源を購入したとしても、まず別途購入する必要なく助かります。この辺りも気が利いているメーカーだと思いました。
概ねこのように比較して、大変心が揺れたのですが、実用性を重視しJackeryの購入を断念しました……
また他の中華製のソーラーパネルも検討したのですが、前述のメーカーのレスポンスが良いという点を重視し、ELECAENTAのソーラーパネルを購入することに決定しました。
まとめ
いろいろ書きましたが、要するに曇りでも発電ができる、USB-C (PD対応)出力、安い、メーカーのレスポンスが良い、ということでELECAENTA 120Wソーラーパネルを選んだということです。
私と同じくソーラーパネルが欲しい方の参考になればうれしいです。
最近のAmazonを見ていると、出品されているソーラーパネルの数が増えてきているように感じます。あのモバイルバッテリーのAnkerからも発売されていますね。驚きました。これも気になりますよね。
それだけ需要があるということでしょうか。私と同じように、災害を想定しての需要が高まっているのかもしれません。キャンプ目的の購入でも「災害に使える」と言えば買いやすいというのは内緒です。
今回は被災時に困ると予想される電気の対策、ソーラーパネルについて書きましたが、今度は飲料水についても書きたいと思っています。これも大事ですよね。こっちも良い製品があります。