昔から「仕事に追われるな!仕事を追いかけろ!」と言います。これは仕事術の王道として、聞いたことがあるかもしれません。また1度は先輩や上司から言われることかもしれません。これにはいろいろな解釈があるとは思いますが、私はどのようにして仕事を自分でコントロールするか、主導権を握るのかだと思っています。
その主導権を握った状態が「仕事を追いかける」という状態で、具体的には、その仕事の目標に向けて、いつどのように作業をしていくのか、スケジュールを自分で決めていける状態のことを指します。
逆に、主導権を握れていない状態、具体的には、次々と現れる突発的な出来事に追われ、本来絶対にしなければならないことができなかったり、遅れるような状態などは、「仕事に追われている」状態と言えるでしょう。
突発的な出来事は、例え仕事の主導権を握っていてもいくらでも発生します。しかし、その突発的な出来事に対して、本来やらなければならないことを軸に、他の作業も合わせて調整できるのであれば、やはり「主導権を握っている」と言えると思います。
私は社会人になってから、なんらかの案件を完成に導く職業を多く経験しました。案件の内容はプラント機械であったり、webサイトであったり、また金額的な規模も様々なのですが、その中でいくつか共通するコツのようなものを見つけることができました。
大抵仕事を行う際には十分な時間が用意されていることは、ほとんとないと言って良いでしょう。しかしそのコツに気がついてからは、時間と作業量のバランスの中で主導権を握ることが可能になり、いわゆる「仕事を追いかける」状態を保つことができるようになりました。
そのコツの中から、新社会人のお役に立ちそうな、簡単な「今すぐ実行できるコツ」を、いくつかご紹介したいと思います。簡単でもこれを意識するかどうかでかなり変わってきますので、あなたの社会人ライフに取り入れていただけたら嬉しいです!
1.とにかくスケジュールを全て把握すること
自分の仕事に関わるスケジュールは可能な限り全て把握して下さい。納期であったり、検査の予定であったり、職種によっていろいろあるとは思いますが、時間的な動きは全て把握して下さい。また同僚や上司のスケジュールもできるだけ把握しましょう。これが基本となります。この時間的な把握が甘いと、突発的な出来事が起きたときに、先に期限が来るものを瞬時に判断できませんので、作業の優先順位をつけることができなくなります。その作業が本当にその時間に行う必要があるのか、他に優先すべき事があるのか、判断することができなくなります。
あと注意としては、スケジュールを把握することは大事ですが、予定を組むのに力を入れすぎないことです。突発的な出来事はいくらでも発生しますので、その時考えていた予定など強制的に変更させられます。重要な予定だけ考えて、大まかに予定を組んでおくのが時間配分のコツです。
2.自分のところで仕事を止めないこと
他部署や外注など、人に依頼して結果を得るような事柄は、数多く出てくると思いますが、そういった人に依頼するものは、とにかく全てさっさと依頼して自分と並行して人に動いてもらいましょう。その依頼が遅れることによって、結果を得ることが遅くなってしまっては、他の連動している事柄が全て遅くなります。私の経験則ですが、人に依頼するのが遅い人は、常に依頼する作業の優先順が低く、そのため結果を得るのも常に遅くなる傾向にあります。
人に動いてもらうような事柄は、早くスタート切ってもらうために、依頼する作業の優先順位を常に高くしておくのが時間を作るコツです。
3.詳しい経験を持っている人を知っておくこと
ある機械やソフトなど、未経験なことはこの先いくらでも出てきます。経験が豊富な人でも、経験したことがないことは数多く存在します。そういう未経験な事をどのように失敗せず収めるのか、なかなか難しい問題です。手探りでもいいのですが、それでは効率が悪い場合がほとんどです。そんな時は当たり前ですが、人に聞くのが一番です。経験豊富な方でも、未経験な事はすぐに誰かに聞いているものです。しかし誰に聞くのが一番良いのかを、日頃から把握しておくように努めましょう。まわりの同僚や上司はまったく同じ事を経験しているわけではありません。誰でも得意なことと不得意なことがあり、経験も違います。誰がどんなことに詳しいのか、大体で良いので覚えておきましょう。
自分が得意なことを人に話すのは楽しいものですし、また人に頼られるもの悪い気はしませんので、先輩や上司は親切に教えてくれると思います。勇気を持って聞きましょう。ただし聞くタイミングには注意して下さい。イライラしていたり、バタバタしているときに話しかけると印象を悪くしますので、昼休みで暇そうにしているときとかに時間を作ってもらうと良いと思います。
4.人に感謝すること
人に聞いたり、人を動かしたり、人と接する機会が数多くありますが、常に感謝して接して下さい。ちょっと恥ずかしいのですが、実はこれ意外と重要なんです。「この人がいるから仕事がうまくいく」とか「この人から貴重な経験を教えてもらったから失敗しなくて済んだ」とかを思い出して人と話せば、自然と感謝の念が沸いてくると思います。
人は誰でも他人に対して、無意識に評価をしています。
社会人になると、人に依頼したり、人に教えてもらったり、人に頼るようなことばかりです。そんな人に頼るような場面で、感謝の心で接する人と、人に教えて欲しいことだけ聞いて、プイッと行ってしまうような人では、その評価は180°違うのは明白だと思います。
感謝して接していると、「あの人の言うことだから」と優先的に動いてくれるかもしれませんし、親切に物事を教えてもらえるかもしれません。逆の立場に立って考えれば、「ありがとうございます」って言ってくる相手に対して、自分がどのような態度で接するのか考えればわかりますよね。
もちろん人に優遇されることを期待して、感謝して接するわけではありませんが、感謝することによって自然と人間関係が円滑になると思います。